231028中部人類談話会第267回例会(中部地方研究懇談会)のお知らせ

中部人類学談話会第267回例会(中部地区研究懇談会)を2023年10月28日(土)に開催します。

対面のみの実施となりますが、多くのみなさまのお越しをお待ちしています。

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中部人類学談話会第267回例会(中部地区研究懇談会)

◆日時
 2023年10月28日(土) 13:30~16:50

◆会場:南山大学B棟B21教室
 交通アクセス(地下鉄名城線「八事日赤」駅より徒歩10分)
 https://www.nanzan-u.ac.jp/Information/access.html

*ハイブリット開催ではありません。ご了承ください。

◆プログラム 

13:30~13:35 開会の挨拶 
13:35~15:05 額田有美(南山大学)
「現代コスタリカのフードスケープ: 先住民的な米料理arroz guachoに着目して」
15:20~16:50 甘靖超(名古屋大学)
「「家祭」と「族祭」にみる供物の特徴とその変容ーー中国江南地域の祖先祭祀を事例に」

◆発表要旨

・額田有美「現代コスタリカのフードスケープ: 先住民的な米料理arroz guachoに着目して」

 2021年に独立200周年を迎えたコスタリカ共和国では、先住民やエスニックマイノリティの文化遺産への注目が高まっている。食文化もその1つである。たとえばarroz guachoと呼ばれる米料理は、これまでは南部の先住民居住区などでのみ調理され食される家庭料理にすぎなかったが、先住民的ガストロノミーを象徴する一品として現在は首都圏のレストランでも好んで食されるようになっている。先住民的な食をめぐるこのような現状について、今日「先住民である」と自認する人びとはどう捉えどのような行動を起こしているのだろうか?
 本発表では、2014年から2023年までに実施したコスタリカ南部の先住民居住区での現地調査ならびに2020年から2022年にかけて行ったオンライン調査から得た質的データをフードスケープ(foodscape)という視点から考察する。そうすることで、さまざまなプレイヤーが参加し、多民族・複文化化が進む同国の食の動態の一端を描き出すことを試みる。

・甘靖超「「家祭」と「族祭」にみる供物の特徴とその変容ーー中国江南地域の祖先祭祀を事例に」

 中国では漢民族の祖先祭祀は、各家が年中行事の節目や冠婚葬祭時に家や墓前で行う「家祭」と、「○氏宗親会」と呼ばれる同姓の親族集団(宗族)が祠堂に集まり、その一族の先祖を祭る「族祭」に大別できる。近年、経済成長を背景に数百人が参加する大規模な「族祭」が再び行われるようになった。一方、都市開発に伴って従来の生業が衰退し伝統的生活スタイルが維持できなくなりつつある。
 本発表は、こうした伝統の衰退と復活が絡み合うなか、祖先祭祀の供物と祭祀に伴う食事行動に着目し、供物の献立と作法およびその民俗的意義を明らかにする。まずは長江下流域の南部に位置する江蘇省無錫市鵞湖華氏一族の祖先祭祀を事例に聞き取り調査および明代の家訓集に基づき、明代から現代までの変遷をたどる。そして浙江省嘉興市海塩の銭氏一族の祖先祭祀および呉越国王銭镠秋祭・廟会の調査を報告する。最後に両地域の祖先祭祀を比較し、地域や時代変遷をこえた供物の構造的特徴を探求する。

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◆お問い合わせ先
中部人類学談話会事務局
南山大学人類学研究所 宮脇研究室気付
E-mail: anthroch[at]gmail.com(@を[at]に置き換えています)
Facebook:https://www.facebook.com/ChubuJinrui/
URL: https://anthroch.wordpress.com/

中部地区研究懇談会担当理事 湖中真哉(静岡県立大学)
中部人類学談話会会長 渡部森哉(南山大学)
中部人類学談話会事務局 吉田早悠里(名古屋大学)、宮脇千絵(南山大学)

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