Archive for 5月, 2014

2014/05/27

「モノ/コト/コトバの人類学 ―探求し続ける後藤明先生、その未来―」

如法寺慶大会員より、研究会「モノ/コト/コトバの人類学 ―探求し続ける後藤明先生、その未来―」のお知らせがありましたので、転載いたします。

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平成26年5月25日
幹事 如法寺慶大

後藤明先生の還暦をお祝いする会に伴う研究会の御案内

新緑の候、皆様に置かれましては、益々御健勝のこととお慶び申し上げます。
この度、南山大学人文学部教授であります後藤明先生が還暦をお迎えになります。
つきましては、後藤先生に日頃御世話になっている学生と研究者の方々でささやかながら還暦をお祝いする会を開催することと致しました。
会は御食事に先立ちまして、「モノ/コト/コトバの人類学―探求し続ける後藤明先生、その未来―」という趣旨のもとで研究会を催す予定にしております。研究会では各発表者が自身の研究と絡めて後藤先生の御研究を紹介致します。各発表者の題目など、研究会の内容は別紙にて御確認下さい。
こちらの研究会は、まだ若干の席の余裕がございます。もし、ご興味をおもちの方、研究会への参加を希望される方は幹事である如法寺慶大(南山大学人類学博物館)まで御連絡ください。
如法寺慶大:keita-nyoho@hotmail.co.jp

御参加されるにあたって諸注意がございますので、恐れ入りますが予め御了承ください。
・研究会会場の都合上、参加希望の方は先着順、また10名前後で締め切らせていただきますので、予め御了承いただきますようお願い申し上げます
・御参加される方は、6月15日までに御連絡ください。
・御参加はあくまでも研究会のみとなります。
その後の御食事会には御参加できませんので、予め御了承くださいますようお願い申し上げます。

1. 日時:2014年6月21日(土):14時30分―受付開始(研究会の会場前にて受付)
15時~17時―研究会
2. 会場:賀城園・3階会議室
〈住所〉〒456-0021 名古屋市熱田区夜寒町16番22
TEL/052-682-3747 FAX/052-682-6732
http://www.gajouen.co.jp/
  〈アクセス〉
○地下鉄をご利用の場合
    →西高蔵駅1番出口より南東へ徒歩6分
○名鉄をご利用の場合
    →金山総合駅・神宮前駅より車にて4分
○JRをご利用の場合
    →熱田駅より北西へ徒歩10分

以上

2014/05/15

中部人類学談話会第223回例会のお知らせ

中部人類学談話会第223回例会のお知らせ

御案内:
中部人類学談話会第223回例会(南山大学人類学研究所共催)を下記の要領で開催いたします。みなさん、ふるってご参加ください。なお、例会は日本文化人類学会の中部地区研究懇談会をかねて開催されています。参加無料で、例会は一般に開放されています。事前登録の必要はありません。

会場と日程:
平成26年5月31日(土曜)13時00分より
南山大学R棟R31号室 (地下鉄名城線「名古屋大学」「八事日赤」駅より徒歩約8分、R棟は正門を入ってすぐ左の大きな建物))

* 駐車スペースがありませんので、車でのご来場は固くお断りいたします。

話題提供者と話題:

■修士論文・博士論文発表会

13:00-13:30 千葉裕太(愛知県立大学大学院国際文化研究科 博士後期課程1年)
修士論文「植民地期初期メキシコ中央高原における黒曜石の呪医的利用」

13:30-14:00 片山詩音(株式会社セクターエイティエイト)
修士論文「胡弓の研究―富山県民謡「越中おわら節」の事例より―」

14:00-14:30 梁桂志(名古屋大学文学研究科人文学専攻 博士課程後期課程1年)
修士論文「モンゴル民族服の復興 ―内モンゴルフフホトの事例を中心に―」

14:30-15:00 古澤夏子(南山大学大学院研修生)
修士論文「タミルナードゥ州における不可触民の地位の変化とタップのあり方ーヴァディパッティ町のパライヤルとチャッキリヤルの事例からー」

休憩(15分)

15:15-16:15 菅沼文乃(南山大学非常勤研究員(人類学研究所))
博士論文「社会のなかで老いるということ―沖縄県都市部における老年者の選択と逡巡に関する人類学的研究―」

16:15-17:15 高村美也子(国立民族学博物館外来研究員)
博士論文「スワヒリ農村ボンデイ社会におけるココヤシ文化」

終了後、懇親会(C棟食堂)

発表要旨:

発表者:千葉裕太

所属: 愛知県立大学大学院 国際文化研究科 博士後期課程 1年
論文のタイトル: 植民地期初期メキシコ中央高原における黒曜石の呪医的利用
修士・博士の別: 修士論文

要旨:
本発表は、メキシコ中央高原における鉱物の医術利用について、特に黒曜石に焦点を当て、植民地期初期のスペイン人による記述を分析した論考である。黒曜石は主要利器の石材でありながら儀式の道具や副葬品にも利用される、いわば世俗性と神聖性を併せ持つ物質であった。それゆえ黒曜石は医療器具としての利用の他にも、薬として、あるいは病や呪いを防ぎ退ける呪医的目的でも利用された。
このような呪医的利用には同地域における病因論の一つである「熱冷二元論」や、先住民により信仰されていた神々の治癒的特性といった固有の文化概念が根幹にあったと考えられる。そしてそれらの文化概念と鉱物を結びつけたのが色であった。緑、赤、黒色のバリエーションを持つ黒曜石は、現地の文化概念の中で各々の色に象徴化された治癒力が物質化したもの、同様に治癒効果をもたらすものと信じられることで、広義の「薬」として医術に利用されたのだと結論づける。

発表者:片山詩音

所属:株式会社セクターエイティエイト
論文のタイトル:胡弓の研究―富山県民謡「越中おわら節」の事例より―
修士・博士の別:修士論文

要旨
 本論文は、日本の伝統的な擦弦楽器の「胡弓」について、フィールドワークに基づき楽器の特性を分析するものである。実際に演奏される場として富山県民謡「越中おわら節」を対象とする。研究方法としては、楽器形態や基本形の抽出するために採録採譜を行い、演唱の全体的な構造を分析する。また、演奏時に発生する即興性や可変性、音色上の特性についても、それを補完する一つの方法として当事者への聞き取り調査及び伝習過程の参与観察を併用する。それにより、胡弓の位置づけや音の特色、当事者による演唱全体における調和への意識、評価について明らかにすることが可能になると考える。このように、分析方法を併用させることで、本事例を中心として胡弓の音の特色についてより詳細な考察を試みる。

発表者:梁桂志

所属:名古屋大学文学研究科人文学専攻 博士後期課程一年
論文のタイトル:モンゴル民族服の復興 ―内モンゴルフフホトの事例を中心に―
修士・博士の別:修士論文

要旨
 現在内モンゴルにおいてモンゴル民族服が復興している。本稿ではフフホト市の事例を用いて、その復興の実態と要因を解明することを目的とした。
 復興の実態を、主に着用側の資料を用いて検討した。着用者を大きく個人的着用者と公共的着用者に分け、それぞれ結婚式用の服と体育祭用の服を事例として取り上げた。体育祭用の服は主に国家文化政策によって、モンゴル民族文化事業の発展、国民教育の進展などの目的で着用されている。一方、結婚式用の服は個人の自発的民族アイデンティティによって着用されている。
 復興の要因としては国家の思惑と民族的思惑の掛け合いのなかで進められている。国家の思惑は、少数民族文化の中華民族への同化という危機である一方、少数民族地域の経済発展や文化発展にとって機会でもある。民族的思惑は民族服を民族文化の表象としている。現在のモンゴル民族服の復興はこの二つの「立場」の接点とチャンスを生かしての結果である。

発表者:古澤夏子

所属:南山大学大学院研修生
論文のタイトル:タミルナードゥ州における不可触民の地位の変化とタップのあり方ーヴァディパッティ町のパライヤルとチャッキリヤルの事例からー
修士・博士の別:修士論文

要旨
 本発表では、タップで知られるヴァディパッティ町の事例を中心に、元来不浄とされたタップが芸能化しつつある中での、タップに関わる人々の行動について考察することを目的としている。
 タップは元来不可触民のパライヤルによって葬儀の場で叩かれていた太鼓であり、パライヤルが上位カーストに対して行う義務的サービスの1つであった。しかし、ヴァディパッティ町ではタップ奏者のほとんどが不可触民であるチャッキリヤルであった。それはゴヴィンダンという人物のヴァディパッティ町への移住をきっかけに、従来とは異なるタイプのタップ奏者が出現したことにより、上位カーストとパライヤルやチャッキリヤルの関係が変容した結果であると考える。本発表では、ヴァディパッティ町のタップ奏者やタップをめぐる状況を明らかにすることで、タミルナードゥ州におけるタップ奏者を取り巻く状況の変化の一側面を示したい。

発表者:菅沼文乃  

所属:南山大学非常勤研究員(人類学研究所)
論文のタイトル:社会のなかで老いるということ―沖縄県都市部における老年者の選択と逡巡に関する人類学的研究―
修士・博士の別:博士論文

要旨
 本研究は、沖縄県都市部に位置する辻地域を対象とし、老いを人生段階上のカテゴリーとしてではなく行為の面からとらえる試みである。
 まず、現在までの沖縄社会で老いがどのようにとらえられてきたのかを検討する。ここから、老いが親族、地域共同体、宗教組織間の相互連関のなかで位置づけられてきたこと、辻地域では歴史的に形成された地域の特性と高齢者福祉という新たな制度の介入によってこの相互連関が希薄化し、老いの位置づけに変化がみられることが示される。
 この上で、調査地に居住する老年者に対する居住状況と参加型福祉サービスの利用を軸とした調査結果を分析する。ここからは、老年者が生活の諸場面において、老いにまつわる多様な選択を行っていることが明らかとなる。さらにこれを老年者個々人の側から検討することによって、現在の調査地における老いは、老いの位置づけが不安定になったことで生じる葛藤に対して、逡巡し選択を繰り返す行為としてとらえることが可能となる。

発表者:高村美也子

所属:国立民族学博物館外来研究員
論文のタイトル:「スワヒリ農村ボンデイ社会におけるココヤシ文化」
修士・博士の別:博士論文

要旨 
 本研究の目的は、東アフリカ・タンザニア・スワヒリ農村ボンデイ社会におけるココヤシ利用の社会的・文化的側面の意味を住、食、信仰、経済活動を通して明らかにすることである。
 本研究によって、以下のことが明らかになった。ボンデイ社会では、ココヤシの葉と実と樹液を主に利用している。これらの部位は、それぞれ建築材、食材、酒として主に利用されている。社会的側面・経済的側面をみると、ココヤシにまつわる仕事には、男性の領域、女性の領域、高齢者の領域がある。この領域には、規模の大小差があるものの、全者に現金獲得の機会を与えている。宗教的側面では、ココヤシ酒が、人びとと祖霊との交流の媒介、儀礼の供物として用いられてきた。市場経済導入など農村社会が変化するなかで、ボンデイ社会のココヤシ利用は不変的な価値を持つ。スワヒリ農村ボンデイ社会の住文化、食文化、信仰、経済の基盤は、栽培植物ココヤシの利用なのである。