Archive for ‘What’s New:まるはち人類学研究会’

2019/01/27

第5回まるはち人類学研究会・中部人類学談話会第246回例会(190202)

第5回 まるはち人類学研究会(中部人類学談話会共催)が以下の要領で開催されます。

みなさまふるってご参加くださいますようお願い申し上げます。

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◆第5回まるはち人類学研究会(「特別企画:北陸先端科学技術大学院大学(JAIST)の大学院生・若手研究者との交流セミナー」)◆

【主催】:第5回 まるはち人類学研究会(「特別企画:北陸先端科学技術大学院大学(JAIST)の大学院生・若手研究者との交流セミナー」)

【共催】:第151 回北陸人類学研究会例会(日本文化人類学会 北陸地区研究懇談会)、中部人類学談話会第246回例会(日本文化人類学会中部地区研究懇談会)

【日時】:2019年2月2日(土)13:00-17:30(若干変更の可能性もあります)

【場所】:北陸先端科学技術大学院大学(JAIST)金沢駅前オフィス

https://www.jaist.ac.jp/top/kanazawaoffice/

 

<プログラム>

13:00-13:05 あいさつ 伊藤 泰信(JAIST)

13:05-13:10 参加者自己紹介

 

<まるはち人類学研究会研究発表>

13:10-13:35 伊藤 紫(南山大学大学院博士前期課程)

「八重山地域小浜島の手織物──集落に根差した織物作りと使用の現在」

 

13:35-14:00 加藤 英明 (南山大学大学院博士後期課程)

「NC旋盤のデザインと使用──愛知県刈谷市の浮動的町工場の事例より」

 

14:00-14:25 大谷 かがり(中部大学)

「子どもの健康を心配するおばちゃんたちと看護師の説明モデル、それらを翻訳する人類

学者──不就学の外国籍の子どもを支えるNPOでのフィールドワークから」

 

14:25-14:45  コメント 比嘉 夏子(JAIST)(20分)

 

14:45-15:00  休憩(15分)

 

<JAIST研究発表>

15:00-15:20 早川 和哉(JAIST博士後期課程)

「ハワイの伝統舞踊フラをめぐる法人類学──熊本市のフラ教室運営会社の訴訟事例から」

 

15:20-15:40 樋口 容視子(JAIST博士後期課程)

「在日ネパール企業人の社会関係資本と社会移動──エスニックビジネスの事例から」

 

15:40-16:00 須藤 修司 (JAIST博士後期課程)

「変容するメディア環境における有料放送をめぐる人類学的研究──視聴者のライフヒス

トリーから」

 

16:00-16:20 武田 彩子(JAIST博士後期課程)

「看護大学生の海外保健福祉事情研修での学び――異文化看護教育のエスノグラフィ」

 

16:20-16:40 池田 佳奈恵(JAIST博士前期課程)・伊藤 泰信(JAIST)

「医学部の文化人類学教育における映像メディアの活用──その可能性をめぐる予備的

検討」

 

16:40-17:00  コメント 中尾 世治(総合地球環境学研究所)(20分)

 

17:00-17:30 総合討論(30分)

 

17:30 閉会

 

懇親会

 

<問い合わせ先>

まるはち人類学研究会事務局 加藤英明(hide2369@hotmail.co.jp)

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2015/11/12

中部人類学談話会第233回例会のお知らせ

ご案内:
下記の要領にて、第233回例会を開催いたします。
ぜひ、御出席いただきますよう、ご案内申し上げます。なお、中部人類学談話会は「日本文化人類学会・中部地区研究懇談会」をかねて開催しています。参加無料で、例会は一般に開放されています。事前登録の必要はありません。

中部人類学談話会第233回例会、第30回まるはち人類学研究会合同企画
総合地球環境学研究所共催、南山大学人類学研究所協賛

「風土に根ざす住まいの伝統と変容:ブルキナファソ、カッセーナの調査から」

日時:2015年11月28日(土)13:30~
会場:南山大学名古屋キャンパスB棟B21教室(地下鉄名城線八事日赤駅より徒歩約8分)
※通常と会場が異なりますので、ご注意ください。
アクセス:http://www.nanzan-u.ac.jp/Information/access.html
キャンパスマップ:http://www.nanzan-u.ac.jp/Information/navi/nagoya_main.html

13:30-14:00 趣旨説明 清水貴夫(総合地球環境学研究所)
14:00-14:30「屋敷の不均衡な変容:ラングェロ村の村長の屋敷の経年変化」
中尾世治(南山大学大学院)
(休憩)
14:50-15:20「住まいとジェンダー:ラングェロ村の女性にとっての家-イエ」
伊東未来(南山大学・学振PD)
15:20-15:50「土の家をつくる技術:ラングェロ村の伝統住居と在来建築技術」
小林広英(京都大学大学院地球環境学堂)
(休憩)
16:10-16:30 コメント 栗原伸治(日本大学)
16:30-16:50 コメント 後藤澄子(リトルワールド)
16:50-17:30 全体討論 
(終了後、会場周辺にて懇親会を予定)

お問い合わせ:
南山大学人類学研究所 藏本龍介
E-mail: kuramoto@nanzan-u.ac.jp
URL: https://anthroch.wordpress.com/

2015/02/10

まるはち人類学研究会のお知らせ

まるはち人類学研究会のお知らせ

大谷かがり会員より、まるはち人類学研究会研究会のお知らせがありましたので、転載いたします。

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第25回まるはち人類学研究会修士論文発表会
日時:2月21日(土)14時から
会場:南山大学人類学研究所1階会議室

14:00~14:05 趣旨説明
14:05~14:45 発表① 川口美樹(名古屋大学)
  「機械化による漁業従事者の知識と技術の変化に関する研究」
14:45~15:00 質疑応答
15:05~15:45 発表② 厖娜(名古屋大学)
  「潮干祭における山車の機能と象徴的意味に関する研究―山車と神輿の比較研究から」
15:45~16:00 質疑応答
16:05~16:45 発表③ 松永神鷹(南山大学)
  「津波と漁師―個と向き合う災害人類学」
16:45~17:00 質疑応答

2014/09/24

まるはち人類学研究会のお知らせ

まるはち人類学研究会のお知らせ

大谷かがり会員より、まるはち人類学研究会研究会のお知らせがありましたので、転載いたします。

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新ヶ江章友著『日本の「ゲイ」とエイズ』合評会のご案内

主催: 日本文化人類学会中部地区研究懇談会、まるはち人類学研究会
日時: 2014年10月4日(土)14:00~17:30
会場: 南山大学人類学研究所1階会議室(http://www.nanzan-u.ac.jp/JINRUIKEN/index.html)

新ヶ江章友(名古屋市立大学男女共同参画推進センター特任助教)
『日本の「ゲイ」とエイズ』(2013、青弓社)

プログラム
14:00-14:05 趣旨説明
14:05-15:00 自著解題
15:00-15:15 休憩
15:15-15:45 コメント①風間孝(中京大学)
15:45-16:15 コメント②西真如(京都大学)
16:15-16:30 休憩
16:30-17:30 質疑応答

問い合わせ先
まるはち人類学研究会事務局
E-mail: maruhachi.anthropology@gmail.com
URL: http://maruhachijinruigaku.blogspot.jp/

2014/04/18

まるはち人類学研究会 4月の研究会

大谷かがり会員より、まるはち人類学研究会研究会のお知らせがありましたので、転載いたします。

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まるはち人類学研究会 の4月の研究会「社会人を辞めて/続けながら わたしはこういう理由で人類学の世界にやってきました―夢と野望と憧れと戸惑いと不安―」についてお知らせいたします。社会人シリーズ第2回目となります。まるはち人類学研究会では、年1回社会人シリーズを開催しております。

本企画は、社会で働くことを経験し大学院に入った社会人学生を発表者として、大学院の研究生活のなかで思うことを述べていただき、社会と大学院の関係について考えていくこと目的としております。中部地域には多くの社会人学生が仕事をしながら研究に取り組んでおられます。人類学を学ぶ社会人学生は、働いていたときの経験をもち、その経験にもとづいた関心をもって大学院に進学されているのではないかと思います。しかしながら、そういった経験に根ざした関心は、ときには研究として成立しづらく、研究領域や所属を変更する必要に迫られることもあります。本企画では、社会と人類学の世界を経験している大学院生4人を話し手としてお招きし、社会での経験と研究生活とのあいだで経験したずれや
戸惑いについて、話し合います。この研究会を通して、社会人にとっての人類学のありかたを模索していきたいと考えております。皆様のご参加をお待ちしております。研究会の後、懇親会を行います。こちらだけのご参加も歓迎いたします。

日時:2014年4月26日(土曜)14:00-17:15
場所:南山大学人類学研究所1F会議室
(http://www.nanzan-u.ac.jp/JINRUIKEN/index.html)

プログラム
14:00-14:05 趣旨説明
14:05-14:30 発表① 加藤英明(南山大学大学院)

14:30-14:55 発表② 佐藤 嘉晃(名古屋医専)

14:55-15:10 休憩

15:10-15:35 発表③ 廣田緑(名古屋大学大学院)
 
15:35-16:00 発表④ 日丸美彦(愛知県立大学大学院)

16:00-16:15 休憩

16:15-17:15 総合討論

2013/10/25

第18回まるはち人類学研究会延期のお知らせ

第18回まるはち人類学研究会延期のお知らせ

まるはち人類学研究会より、第18回まるはち人類学研究会延期のお知らせがありましたので、転載いたします。

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みなさま、2013年10月26日に開催を予定しておりました
「第18回 まるはち人類学研究会」は、台風27号の影響を考え、12月7日に延期することにいたしました。
多大なご迷惑をおかけしてしまい、大変申し訳ございません。
12月7日、ご興味ある方は是非ご参加ください。

まるはち人類学研究会
http://maruhachijinruigaku.blogspot.jp/

第18回研究会『モノとカテゴリー─モノが取り扱われる現場・プロセスからその動態性を捉える─』
日時:2013年12月7日(土曜)14:00~17:15
場所:南山大学人類学研究所1階会議室
(http://www.nanzan-u.ac.jp/JINRUIKEN/index.html)

14:00-14:10 企画趣旨説明
14:10-14:50 発表①「「ゆれ動く」モノのカテゴリー~パラオ共和国の伝統的カヌーを事例に~」
        如法寺慶大(南山大学大学院人間文化研究科人類学専攻博士前期課程修了)
14:50-15:30  発表②「製作プロセスからみるモノのカテゴリー
            ~愛知県の町工場における金属切削加工を事例に~」
        加藤英明(南山大学大学院人間文化研究科人類学専攻博士後期課程)
15:30-15:45 休憩
15:45-16:05 コメント① 青木啓将(早稲田大学人間科学学術院)
16:05-16:25 コメント② 角南聡一郎(元興寺文化財研究所)
16:25-16:40 休憩
16:40-17:30 全体討論

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2013/10/11

第18回まるはち人類学研究会のお知らせ

大谷かがり会員より、第18回まるはち人類学研究会研究会のお知らせがありましたので、転載いたします。

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仲秋の候、ますますご清祥のことと、心よりお喜び申し上げます。
第18回まるはち人類学研究会『モノとカテゴリー―モノが取り扱われる現場・プロセスからその動態性を捉える―』を行います。発表要旨につきましては、以下ブログをご覧いただければ幸いです。ご興味のある方はぜひともお越しください。お待ちしております。

まるはち人類学研究会
http://maruhachijinruigaku.blogspot.jp/

中部大学 大谷かがり

第18回研究会『モノとカテゴリー―モノが取り扱われる現場・プロセスからその動態性を捉える―』
日時:2013年10月26日(土曜)14:00~17:15
場所:南山大学人類学研究所1階会議室
(http://www.nanzan-u.ac.jp/JINRUIKEN/index.html)

14:00-14:10 企画趣旨説明
14:10-14:50 発表「「ゆれ動く」モノのカテゴリー~パラオ共和国の伝統的カヌーを事例に~」
如法寺慶大(南山大学大学院人間文化研究科人類学専攻博士前期課程修了)

14:50-15:30  発表「製作プロセスからみるモノのカテゴリー~愛知県の町工場における金属切削加工を事例に~」
加藤英明(南山大学大学院人間文化研究科人類学専攻博士後期課程)

15:30-15:45 休憩
15:45-16:05 コメント
青木啓将(早稲田大学人間科学学術院)
16:05-16:25 コメント
角南聡一郎(元興寺文化財研究所)
16:25-16:40 休憩
16:40-17:30 全体討論

2013/06/07

第17回まるはち人類学研究会研究会のお知らせ

大谷かがり会員より、第17回まるはち人類学研究会研究会のお知らせがありましたので、転載いたします。

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2013年6月29日第17回まるはち人類学研究会
合評会平井芽阿里『宮古の神々と聖なる森』のお知らせ

日時:2013年6月29日(土)
会場:中部大学名古屋キャンパス(JR鶴舞駅すぐ)
http://www.chubu.ac.jp/location/
合評会
平井芽阿里(國學院大學 日本学術振興会特別研究員PD)
『宮古の神々と聖なる森』(2012、新典社)

趣旨説明14:00‐14:05
自著解題14:05‐14:55平井芽阿里(國學院大學 日本学術振興会特別研究員PD)
休憩14:55‐15:05
コメント15:05‐16:40
菅沼文乃(南山大学大学院人間文化研究科博士後期課程)
吉田佳世(神戸学院大学地域研究センター PD研究員)
東賢太朗(名古屋大学)
休憩16:40-16:50
質疑応答16:50-17:20

2013/02/05

第15回まるはち人類学研究会 中部地区人類学修士論文検討会  

大谷かがり会員より、第18回まるはち人類学研究会研究会のお知らせがありましたので、転載いたします。

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2013年2月16日
第15回まるはち人類学研究会  
中部地区人類学修士論文検討会

場所:南山大学人類学研究所1F会議室
(http://www.nanzan-u.ac.jp/JINRUIKEN/index.html)

13:00-13:05 趣旨説明
13:05-13:35 発表① 矢倉広菜(名古屋大学)
  「野生動物を殺すことになった人々ー愛知県における獣害問題の事例からー」
13:35-13:50 質疑応答
13:50-14:20 発表② 廣田緑(南山大学)
  「スニ・コンテンポレルーインドネシア現代美術における「市場」と「言説」の変容ー」

14:20-14:35 質疑応答
14:35-14:50 休憩
14:50-15:20 発表③ 如法寺慶大(南山大学)
  「コトラオルカヌーとは何か?ーパラオにおけるコトラオルカヌーのカテゴリーに関する物質文化研究ー」
15:20-15:35 質疑応答
15:35-16:05 発表④ 加藤秀明(南山大)
  「金属加工技術に関する人類学的考察ー愛知県の町工場を事例としてー」

16:05-16:20 質疑応答
16:20-16:35 休憩
16:35-17:05 発表⑤ 日丸美彦(愛知県立大)
  「先住民族文化にみる持続可能な環境教育資源ーフィリピン環境演劇の身体知と暗黙知ー」
17:05-17:20 質疑応答

2012/09/29

第13回まるはち人類学研究会のお知らせ(10月6日)

大谷かがり会員より、第13回まるはち人類学研究会の案内が来ましたので転載いたします。

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野分の候、益々ご健勝のことと存じ上げます。
第13回まるはち人類学研究会開催が決定し、プログラム等の詳細が決まりましたのでお知らせいたします。どうぞご参加ください。

第13回まるはち人類学研究会
老いや病をめぐる事象を探究する―人類学×看護学

日時:2012年10月6日
会場:中部大学名古屋キャンパス510教室
名古屋市中区千代田5-14-22
JR中央本線「鶴舞」駅名大病院口(北口)下車すぐ
地下鉄「鶴舞」駅下車北へ約100m
http://www.chubu.ac.jp/location/
まるはち人類学研究会
http://maruhachijinruigaku.blogspot.jp/

14時30分~14時40分 趣旨説明
14時40分~15時20分 発表者:菅沼文乃(南山大学)
15時25分~16時5分  発表者:大谷かがり(中部大学)
16時10分~16時50分 発表者:梅田奈歩(中部大学)
17時5分~17時25分 コメント:工藤由美(亀田医療大学)
17時25分~17時55分 質疑応答

趣旨説明
大谷かがり

人類学では老いや病をめぐるさまざまなフィールドで調査が行われ、研究が発表されている。そのテーマは、患者の生活世界、ケアや健康の概念の多様性や多義性、死や生に関する儀礼、臓器移植、介護など枚挙に遑がない。人類学は比較的規模の小さい集団を丹念に調査し、人びとの社会関係をあぶりだすことをその特徴としているが、老いや病をめぐるテーマの場合、病者や老人の身体的状況とその背景に焦点が当たる傾向にある。当たり前であるが、生や死は身体から生起するのであるから、生や死が身近でない人たちにとっては、フィールド自体が非日常的であるし、フィールドの背景には繊細で複雑な事情が存在する場合もある。そのため、調査者では踏み込めない専門家の領域が存在することもあるだろ
う。こういった事情が身体的状況とその背景に焦点を当てさせるのかもしれない。
しかしながら、老いや病に関するフィールドにも社会があり、人びとの関係性がある。したがって今回は3名の発表を通して、老いや病をめぐる事象の主役、患う人、その身体的状況とともに、登場する人びとの関係性やその変化を丁寧にみていくことを目的としている。
池田 [2010]は、各地域の身体や命をめぐる様々な概念や事象を事例に挙げ、臨床にかかわる様々な事象を相対化し、臨床での医療者優位のあり方を批判した。池田は、看護の人類学研究を整理したうえで、看護は看護師と患者の相互行為であるが、既存の研究では看護師から患者への一方通行の行為に焦点が当てられており看護師が見えてこないことを指摘する。そのうえで、患者と看護師の相互行為として看護をとらえることの重要性を説く[池田 2010]。
しかし、身体や命をめぐる様々な事象を相対化するだけでは、患者と看護師の相互行為に焦点は当たらない。私は臨床で看護師として働いた経験や病院での実習指導を通して、看護師は、看護は患者と看護師の相互行為であると自覚していると思う。そうであるならば、自覚的に相互行為を取り上げる必要がある。
また、また身体や命をめぐる場にはいくつかの社会的空間が存在する。たとえば病棟は、患者にとって治療を受ける場、眠ったり食事をしたりするプライベートな生活の場である。これに対して看護師にとっては職場である。このように病棟が複数の社会的空間が接合している場であることをふまえて、看護を取り巻く人びとの関係性とその変化、病棟での看護師と患者の社会的空間の接合部分にも着目したうえで、詳細な記述と分析をすることが求められる[大谷 2011]。
今回の発表で菅沼が取り上げるのは、沖縄県都市部に位置する滞在型低賃貸アパートに居住する老年者と他居住者及び地域との間で構築される/構築されない社会関係である。大谷は、自身が看護師として働いていたときに患者との関係性の中で感じた戸惑いと動揺を解消するための経緯を発表する。梅田は、梅田自身の臨床看護師時代のエピソードもふまえつつ、愛知県内に暮らす高齢者が「転倒」に向き合い、折り合いをつけていく事例について発表する。
また、今回は看護学者、看護学者であり人類学者、人類学者が発表する。3名の発表を通して身体や命をめぐる事象のとらえ方に関する、看護学から人類学へのグラデーションを提示することができるだろう。ここに身体や命に関するフィールド、もしくは看護に関するフィールドに関心を持つ人類学者の一助となる「何か」が提示できるかもしれない。

参考文献
池田光穂
2010『看護人類学入門』文化書房博文社。
大谷かがり
2011「書評 書評:池田光穂著『看護人類学入門』」『文化人類学』76(3): 356-360。