中部人類学談話会第264回例会(中部地区研究懇談会)を2023年2月23日(木・祝)に開催します。
ハイフレックスで実施しますので、申込時に「対面参加」か「オンライン参加」を選択してください。
—————————————–
中部人類学談話会第264回例会(中部地区研究懇談会)
◆日時
2023年2月23日(木・祝) 13:30~16:50
◆ハイフレックスでの実施
・会場:中京大学名古屋キャンパス 0号館(センタービル)2階ヤマテホール
交通アクセス(地下鉄鶴舞線・名城線「八事」駅5番出口すぐ)
https://www.chukyo-u.ac.jp/information/facility/g1.html
・Zoom(申込締切:2月21日 15:00)
> 申込フォーム(https://forms.gle/8MGQ1GuTCrQGgBNR7)
*対面参加かオンライン参加かを選択していただきますが、全員にZoom情報をお送りします。
*参加の形式は当日変更してもかまいません。申し込みなしで対面参加していただいてもかまいません。
*Zoom情報は前々日にお送りする予定です。
◆プログラム
13:30~13:35 開会の挨拶
13:35~15:05 中野歩美(中京大学)
「定住化した移動民と住まい方の技法ーーインドタール砂漠地域に暮らすジョーギーの住居空間に注目して」
15:20~16:50 田森雅一(愛知大学)
「グローバリゼーションとライフ・ポリティクスーー北西インド・ムスリム世襲楽士カーストの近現代」
◆発表要旨
・中野歩美「定住化した移動民と住まい方の技法ーーインドタール砂漠地域に暮らすジョーギーの住居空間に注目して」
本発表では、北西インド・ラージャスターン州のタール砂漠地域で移動民として知られてきたジョーギーの定住後の住居の様式とそこでの住まい方について検討する。ジョーギーは現地の人びとの間で、呪術的・宗教的な力を有すると同時に、不潔で貧しい物乞いとして差別されるような〈聖〉かつ〈賤〉の両義性を備えた物乞いの移動民として知られてきた。しかし政府による近代化政策が進むなかで、40年ほど前から野営生活をやめて村の端に定住する者が現れ始め、現在では大半が定住的な生活拠点を持つようになっている。
本発表ではこうした背景を踏まえて、現在彼らがどのような住居のもとで、どのような住まい方をしているのかを事例をもとに考察する。それを通じて、一見すると村の定住民と変わらない暮らしを送るようになったジョーギーが、実際には絶えず即興的な住居空間を創発し続けていることを明らかにし、野営という生活様式と結びついた住まい方の技法として提示する。
・田森雅一「グローバリゼーションとライフ・ポリティクスーー北西インド・ムスリム世襲楽士カーストの近現代」
インド北西部に位置し、パキスタンと国境を接するラージャスターン州は「ジプシー(ロマ)」の原郷の一つとされ、音楽芸能にたずさわるさまざまなコミュニティに属する人々が暮らす乾いた大地である。彼らは、村落内外における伝統的社会関係の中で、ジャジマーンと呼ばれるパトロンのための音楽演奏や系譜語りなどを生業としてきた。しかしながら、インド独立後の社会経済的環境変化のなかでパトロンとの紐帯が失われ、海外での音楽活動に活路を見いだそうとする者たちが現れるようになった。このような動向は、1990年代のインド経済の自由化と地球規模のグローバル化の流れの中で顕著になり、彼らの海外における音楽活動の成功とそれによる社会経済的な影響力は、巡りめぐってローカルな社会やコミュニティの秩序に変化を与える要因の一つになっている。
本発表では、一年の大半をフランスなどの海外で暮らすラージャスターン出身のムスリム世襲楽士カーストのローカル・ヒストリーと、グローバル化の中で再帰的に問い直される集合的アイデンティティや社会規範などについて、ライフ・ポリティクスの視点から検討してみたい。
===========================
◆お問い合わせ先
中部人類学談話会事務局
南山大学人類学研究所 宮脇研究室気付
E-mail: anthroch[at]gmail.com(@を[at]に置き換えています)
Facebook:https://www.facebook.com/ChubuJinrui/
URL: https://anthroch.wordpress.com/
中部地区研究懇談会担当理事:湖中真哉(静岡県立大学)
中部人類学談話会会長:渡部森哉(南山大学)
中部人類学談話会事務局:深田淳太郎(三重大学)、宮脇千絵(南山大学)
コメントを残す