亀井伸孝世話人より、公開講座のお知らせがありましたので、転載いたします。
————————-
愛知県立大学公開講座
「文化の記録と映像表現 – 民族誌映画の目指すもの -」
2012年6月20日(水)13:00-17:00
愛知県立大学長久手キャンパス 学術文化交流センター B1 多目的ホール
リニモ「愛・地球博記念公園」下車徒歩5分
http://www.aichi-pu.ac.jp/access/index.html
講師: 川瀬 慈(かわせ・いつし)(国立民族学博物館)
主催: 愛知県立大学教育・研究活性化推進費事業
「映像技術を活用したフィールドワーク教育の振興」
共催: 愛知県立大学多文化共生研究所
協力: 愛知県立大学地域連携センター
参加自由、無料。どなたでもおこしください
【本講座のねらい】
文化人類学は、文字の記録によって世界中の文化に関する民族誌を刊行してきました。その一方で、映像を用いた文化の記録と研究もすすめられ、さまざまな方法論が試されてきました。特に近年、映像による民族誌である”民族誌映画”を中心とした国際的な研究交流の輪がひろがり、そこからは、文化人類学の新たな理論的潮流がうみだされています。
この公開講座では、アフリカで長らく研究を行い、映像作品を制作し、国際映画祭などでも高い評価を受けている気鋭の映像人類学者・川瀬慈さんをお招きします。エチオピアの音楽や宗教、こどもたちを対象とした作品を鑑賞し、制作者自身による解説を聞くことによって、民族誌映画の理論と方法論について学びます。
【上映作品】 概要
■「ラリベロッチ – 終わりなき祝福を生きる -」
30分/2005年
制作・監督:川瀬 慈
使用言語:アムハラ語(日本語字幕)
撮影場所:ゴンダール、エチオピア連邦民主共和国
エチオピア高原北部を広範に移動するラリベロッチと呼ばれる吟遊詩人は、早朝に家の軒先で唄い、乞い、金や食物を受け取ると、その見返りとして人々に祝詞を与え、次の家へと去っていく。ラリベロッチは、唄うことを止めるとコマタ(アムハラ語でハンセン氏病の意)を患うという差別的な言説のもと、謎に満ちた集団として人々のあいだで語られてきた。本作は、ラリベロッチ老夫婦の路上における聴衆との豊かなやりとりを記録。
■「Room 11, Ethiopia Hotel」
24分/2007年
制作・監督:川瀬 慈
使用言語:アムハラ語(日本語字幕)
撮影場所:ゴンダール、エチオピア連邦民主共和国
本作は、ホテルの一室での、ストリートチルドレンと制作者(川瀬)によるやりとりから生起する物語に焦点をあてている。被写体とのコミュニケーションを主体とした映像ナラティブを構築。
■「精霊の馬」
28分/2012年
制作・監督:川瀬 慈
使用言語:アムハラ語(日本語字幕)
撮影場所:ゴンダール、エチオピア連邦民主共和国
精霊の馬(アウォリヤ・ファラス)とは、エチオピアのザール憑依儀礼の霊媒を意味する。エチオピア北部の都市ゴンダールは、古くからザール憑依儀礼が盛んな地といわれ、ミシェル・レリスの著書『幻のアフリカ』における記録でも知られる。本作では、霊媒師マレム・ムハメッド氏と精霊セイフ・チャンガルの交流、交感を軸に、当儀礼世界に人々がもとめるものを描く。
このほかにも、いくつかの作品を上映します。
川瀬作品ウェブサイト
http://www.itsushikawase.com/japanese/
【講師略歴】
川瀬 慈(かわせ・いつし)
国立民族学博物館助教。京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程を修了。マンチェスター大学グラナダ映像人類学センター研究員、ベルギーSoundImageCulture
(SIC) 客員講師などを経て現職。専門分野は、映像人類学。エチオピアの音楽職能集団の人類学的研究、民族誌映画制作の理論と実践に関する研究、アフリカの無形文化の保護と継承に資する映像人類学研究などに精力的に取り組んでいる。
おもな著書に、『見る・撮る・魅せるアジア・アフリカ!:
映像人類学の新地平』(共編)など。国際民族学人類学連合(IUAES)映像人類学理事会理事、英国王立人類学協会主催国際民族誌映画祭審査委員などを歴任。2008年、イタリア・サルデーニャ国際民族誌映画祭「最も革新的な映画賞」受賞。
【主催者/連絡先】
本公開講座は、愛知県立大学教育・研究活性化推進費事業「映像技術を活用したフィールドワーク教育の振興」(2012年度採択, 代表者:
亀井伸孝(外国語学部国際関係学科)) の一環として行われています。
連絡先・お問い合わせ:
愛知県立大学外国語学部国際関係学科・亀井研究室
Tel: 0561-64-1111, Fax: 0561-64-1107
メールアドレスは、こちらをごらんください。
http://kamei.aacore.jp/contact-j.html
コメントを残す